上高地は日本屈指の山岳リゾート
上高地は長野県松本市にある自然豊かなリゾート地です。穂高連峰が眼前にそびえ、その山々に登るために多くの登山家が訪れますが、標高が約1500mと高いためとても涼しく、登山をしない人でも老若男女問わずたくさん訪れます。
上高地にある小梨平キャンプ場
そのような上高地にあるキャンプ場の1つが小梨平キャンプ場です。
小梨平キャンプ場は上高地バスターミナルからわずか徒歩約10分の距離にあり、体力に自信がなくとも気軽に行くことのできるキャンプ場です。
他にも上高地には徳沢キャンプ場、横尾キャンプ場がありますが、これらのキャンプ場は上高地バスターミナルから2、3時間ほど歩いて行く必要がありますので、登山しないのであれば小梨平キャンプ場一択です。
東京から上高地への行き方
マイカー規制がされている
上高地は通年マイカー規制がされています。
そのため、途中の沢渡(さわんど)まではマイカーで行けますが、そこから先はシャトルバスかタクシーに乗り換える必要があります。
沢渡から上高地バスターミナルまではおよそ30分です。
直通バスで行く
新宿や東京などから直通バスが出ています。運賃は乗車日によって違うようですが、新宿からであれば6500円〜となっています。ただ1日に1、2便しか運行していないので、自分の予定に合うかどうか公式サイトで確認してください。
公共交通機関で行く
要は電車とバスで行くということですね。私は、旅行は電車で行きたい派なので、こちらの方法で上高地に行きました。
行き方の概略は以下のとおりで、交通費は片道で8,120円です。
新宿駅 => 松本駅 : 特急あずさ 6,620円(運賃4,070円、特急券2、550円)
松本駅 => 新島々駅: 松本電鉄 上高地までの直通切符で2,500円
新島々駅 => 上高地 : バス(アルピコ交通松本)
朝7時新宿発の特急あずさ1号に乗れば、お昼の12時に上高地バスターミナルに到着します。
乗り継ぎが面倒に思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。途中乗り継ぐ必要があるところは松本駅と新島々駅の2箇所だけで、とくに新島々駅は係員の誘導に従うだけで自然とバスに乗れてしまいます。どちらかというとJRから松本電鉄に乗り換える松本駅の方が若干注意が必要です。
新宿から松本まで 「えきねっと」がお得
新宿から松本までの通常運賃は上記のとおり6,620円ですが、JR東日本が運営している「えきねっと」で早めに申し込めば、10%、30%割引となる「トクだ値」を利用することができます。
当日に行こうと思い立った場合でも、「えきねっと」のチケットレスサービスを利用すれば、100円ではありますが、割引が受けられます(2020年3月14日から9月30日までは普通車指定席に限り300円)。
松本駅での乗り継ぎ 改札を出て上高地までの切符を購入
松本駅では、7番線から松本電鉄の電車に乗ることができるので、特急あずさを降りた後、改札を通らずに松本電鉄に乗れてしまい、新島々駅まで行けてしまいます。そうなると、松本までの切符しか持っていない場合には新島々駅で精算することになるのですが、この精算窓口が結構混雑します。
バスの乗り換えに間に合わなくなることはないと思いますが(おそらく全員が乗るまで待ってくれる)、やはり混雑は避けたいですよね。
そこで、おすすめなのが、松本駅で一旦改札を出て、上高地までの直通切符を購入するという方法です。
松本駅の改札口を出てすぐの右側にお馴染みのJRなどの自動券売機があります。その自動券売機の左端が松本電鉄の自動券売機となっています。そこで、上高地までの切符(電車+バス)を購入しておけば、新島々の乗り換えのスムーズに行きます。運賃は2,500円です。
なお、松本電鉄ではSUICA等のICカードは使えませんのでその点は注意です。
松本駅から上高地まで 誘導に従うだけで到着
松本駅で直通切符を購入して松本電鉄に乗れば、新島々駅での乗り換えも問題なく、上高地に到着します。
ちなみに、新島々駅から乗るバスでは、進行方向に向かって左側の席に座ると若干日差しが暑いです。
上高地の概略図
真中を流れる梓川に沿って名所等があり、河童橋が上高地の中心です。
上高地バスターミナルから徒歩10分で小梨平キャンプ場
上高地バスターミナルから河童橋に向かって歩いて行きます。
ザックを背負った登山スタイルの人もいますし、スーツケースやキャリーバッグを引いている人もいます。ベビーカーを押している家族連れもいます。
木々の中を歩いていくと徐々に穂高連峰が姿を現します。5分ほど歩いて上高地の中心、河童橋に到着する頃には、穂高連峰の全貌が見えてきます。
河童橋のあたりは店もたくさんあり、人も集まっていて賑やかです。
河童橋からキャンプ場へ
河童橋を左手に見つつ道を進み、小川を越えるとビジターセンターが見えてきます。
ビジターセンターを右手に見つつ道を進んでいきます。河童橋から5分ほど歩くと、「森のリゾート小梨」と「キャンプ受付」の看板が左手に見えてきます。
小梨平キャンプ場
クマ対策
そもそも上高地はクマ(ツキノワグマ)の生息域ではあるのですが、今季(2020年)は8月に小梨平キャンプ場にてクマによる人身事故があったせい(被害者は脚を引っ掻かれた)で、小梨平キャンプ場は営業を縮小しています。また、クマ対策のために、テント内に食糧を保管しないこと、ゴミの管理を徹底することなど利用者にも注意が促されています。
テントサイト
小梨平キャンプ場のテントサイトの利用料金は1人1泊800円と格安です。
私が行った時は9月のウィークデイだったおかげか、全部で10張くらいしかキャンプする人がいなかったので、管理棟にほど近い梓川のそばのテントサイトを使うことができました。
川のそばのテントサイトからも穂高連峰は見えます。ただ、キャンプ場の目の前の梓川は護岸工事をしていたため、景観的には少し残念でした。
テントサイトは、土の上に砂利を引いてあります。あまり地面に凹凸や傾きがなく、設営しやすかったです。所々堅いところはあるものの、アルミペグが十分使えました。
トレッキングポールを使ってタープを立てていましたが、時折、梓川方向から風が吹いてきたものの、タープが飛ばされることはありませんでした。一応、ペグの上には大きな石を重しとして置いています。
マイカー規制のためか、他のキャンパーもほぼほぼソロキャンパーで、テントも小型の短辺出入口のものが多かったです。そのようなテントの印象から、半分くらいは登山をする人なのかなと感じました。
食事 売店と食堂
管理棟のそばに売店と食堂があります。支払いは現金となりますので、多少多めに持って行った方がいいです。
クマ対策のために食糧をテント内に保管ができないことが予めわかっていたこと、連泊するつもりであったことから、今回、私は食糧は持参せず都度売店等で調達することにしていました。
売店の品揃えですが、お米(一合単位で売っている。)、お肉(国産ではない。冷凍されている。)、ソーセージ、人参、じゃがいも、きゅうり、トマト、しめじ、豆腐、卵、常温保存可能の牛乳その他調味料やインスタント食品、お酒などが売っており、一通りはなんとかなる品揃えでした。ただ、個人的にはサラダにできるようなものがトマトときゅうりしかなく、キャベツやレタスがなかったのが残念でした(もしかしたら縮小営業の影響かもしれません。)。
その代わり、食堂のメニューにサラダがあり(500円)、テイクアウトもできたので、それはありがたかったです。
売店の品物の値段は、安くはないものの、運送の便などを考慮すれば場所柄やむを得ないと思える値段でした。
なお、ちょっと変わったものが食べたければ、河童橋付近の売店(お土産屋さん)に高級レトルトカレーやビーフシチュー、おつまみになる燻製肉なども売っていますし、レストランもあります。
小梨平キャンプ場は焚き火は禁止で、薪の使用も炊事棟など特定の場所に限定されています(ガスバーナーなどはテントサイトで使用できます。)。
あと、管理棟で充電もしてくれます(有料。1台あたり100円。)。
お風呂
小梨平キャンプ場には、お風呂が併設されています。1回600円ですが、キャンプでお風呂に入れるのは大変ありがたいです。ボディソープとシャンプーは備え付けてありますので、タオルと着替えがあれば大丈夫です。なお、温泉ではなく普通のお湯です。
温泉に入りたければ、日帰り温泉の営業をしているホテルがあります。私が行ったのは、ウェストン碑の近くにある「上高地温泉ホテル」です。入浴料は800円でした。ただ、時間が12時30分から15時までと限られていたので、注意が必要です。こちらもボディソープ等は備え付けてあります。ウェストン碑の近くということはキャンプ場から歩いて30分ほどかかるわけですが、上高地に来ると歩き回ることが当たり前になりますので、30分は遠いとは感じませんでした。
虫
9月の小梨平キャンプ場は、一見虫があまりいないように見えます。蚊の飛ぶ音も聞こえず当初は蚊も少ないんだなと思って油断していたのですが、気がつくと蚊に刺されていました。靴下の上からでも蚊に刺されます。夕方以降は長袖長ズボンで虫除けスプレーは必須です。
蚊以外には特段気になった虫はいませんでした。
気温 天候
上高地の公式サイトには、各月の平均気温やオススメの服装ガイドが載っています。
それによると、9月の平均最高気温が18.1度、平均最低気温が8.1度となっています。いやいや今年は暑いから上高地とはいえそんなに低くはないだろうとみくびっていたら、涼しかった(寒かった)です。
私は9月中旬に行ったのですが、昼間は、太陽に当たっていると日差しが暑く半袖でちょうどいいのですが、気温は低いため木陰では長袖が欲しくなります(ウィンドブレーカーを持ち歩いていました。)。日中は歩き回っていたのですが、汗をかいた記憶がありません。
夜は、冷え込みます。私は、上半身は半袖の上に長袖のネルシャツ、ウィンドブレーカー、下半身はデニムで寝袋(快適使用温度が0度、下限温度が−5度のナンガのダウンシュラフ)で寝ましたが、3泊中、1泊目(夜、晴れ)はちょうど良い、2泊目( 夜、晴れ)は寒い(特に下半身。結局、フリースを下半身に掛けた。)、3泊目は少し暑い(夜、曇り)と日によっても違いました。
なお、上高地バスターミナルにあるインフォメーションセンターで実際の気温を尋ねたところ(毎日7時30分と14時の気温を測っているそうです。)、7時30分はおよそ7、8度、14時が20度弱ということでした(係の人からは日ごとの正確な数値を教えていただきましたが、メモし忘れました。)。
参考までに私が持っていった服は、半袖、長袖ネルシャツ、ウィンドブレーカー 、フリース、ウルトラライトダウンです。
なお、インフォメーションセンターやビジターセンターには当日と翌日の天気予報も掲示されているので、行動予定を立てる際の参考にすると良いと思います。
上高地で何をするか
普段のキャンプのように夕食を食べてゆっくり夜を過ごしはするのですが、せっかくお金と時間をかけてリゾートにまで来たのに1泊キャンプして帰るだけではもったいないですよね。
さらに上高地は焚き火が禁止のうえに今回は食材も持って行かなかったので、バーベキューもできず(ちなみに初日の夕食は焼いたソーセージにレトルトカレー)夜を楽しむキャンプとしては私的には物足りないだろうと予想していましたし実際少し物足りなさを感じました。
そこで連泊して昼の上高地を楽しむことにしていたのですが、登山をしない場合、上高地でどのように過ごすのかということですが、主に散策をすることになります。
散策して景観を堪能する
計画段階では体力にも自信がなかったので、30分くらいの距離にあるウェストン碑にはなんとか行ってあとはキャンプ場でゆっくりする予定だったのですが、実際に上高地に行ってみると、思った以上に時間に余裕がありますし、普段着のような人も散策を楽しんでいるようだったので、私もいろいろなところに歩いて行ってみることにしました。
で、上高地の観光スポットですが、河童橋、ウェストン碑以外は大正池、田代池、明神池という3つの池が主な観光スポットとなると思います。
徳沢や横尾もあるのですが、さすがに遠すぎ(片道だけで2時間以上)なので今回は行きませんでした。
各池までの道程は、川沿いの道であったり林の中の木道であったりと様々で、アップダウンもあって楽々と行けるわけではありませんが、せっかく上高地に来たのなら行った方が良いです。道の途中にはいくつかの眺望スポットもあります。
お店を巡る
ショッピングと言うほどではありませんが、河童橋付近にはいくつかのショップや喫茶店、レストランなどがありますので、それらを回ってみるのもありです。
日帰り温泉に入る
先ほども書きましたが、ウェストン碑の近くにある「上高地温泉ホテル」が日帰り温泉の営業をしていますので、ここで温泉を楽しむこともできます。
星空を眺める
上高地は光害が少なく、晴れていれば綺麗な星空を見ることができます。
ただ、キャンプ場は木々が多く全天を眺めるのは難しいです。梓川沿いに出れば、川の方向(穂高連峰の方向。北。)には木々がないので、北の夜空を堪能することができます。
まとめ
小梨平キャンプ場は、いわゆるキャンプをしに行くというよりも、上高地というリゾートに遊びに来てテントに宿泊しているというイメージです。お風呂、売店、食堂、観光名所などが揃っていて非常に快適です。
公共交通機関で簡単に行けるのでバックパックキャンプ、徒歩キャンプをする人にはオススメです。
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